突然ですが皆様、産後クライシスという言葉はご存じでしょうか?これは産後、急に夫婦仲が悪くなる現象のことです。夫婦仲が順調で子どもを授かるというのが一般的に多いはずですが、産後に夫婦の関係性が悪化してしまうというのは信じがたいですよね。でもこの産後クライシス、誰にでも起こりうるものなのです。
私は現在マイホーム探し中なのですが、今まで内覧した中古マンションの売主の売却理由で圧倒的に多いのは「離婚」でした。しかも、幼いお子様がいらっしゃる夫婦がほとんどなのです。本当に余計なお世話なのですが、いったい何があったのか、と想像してしまいます。中には、夫が離婚とローンを苦に、そのマンションから転落したという物件も紹介されました…。
私達夫婦も今年出産を控えていて、ちょうどマイホーム探しをしている身です。他人事ではありません。なので、夫と産後クライシスについての夫婦会議をして、徹底的に予防策を考えてみました。
この記事では「産後クライシスを予防するために産前からできること」を、元看護師ならではの医療的観点から考え、現プレママの私が実践していることをお話ししていきます!この記事を通して、プレママ・プレパパの皆様は一緒に、産後クライシス予防をしていきましょう。また現在産後クライシスで悩んでいるご夫婦の話し合いのきっかけにもなれば良いなと思います。
産前からできる、産後クライシスの予防法はたった3つです。では、解説していきます。
産後クライシスとは
産後クライシス とは産後~2、3年の間に、夫婦仲が悪化する現象を言うそうです。令和3年度、子供が0~2歳の時に離婚した母子世帯の割合は全体の37.4%、さらに子供が3~5歳の時に離婚した母子世帯の割合は全体の20.6%となっています。(厚生労働省:令和3年度全国ひとり親世帯等調査より)
つまり、母子家庭となる家庭は、その58%が産後5年以内に離婚をしているということになります!やはり他人事ではありません。その原因は一体何なのでしょうか…。
産後クライシスの原因
産後の妻の体のダメージ
出産って未だに「無事に生まれて当たり前。」と思われている方が多い印象です。幸せなこと、嬉しいこと、素敵な思い出…、そんなイメージですよね。
でも実際は無事に生まれることは奇跡です。割合は低いですが、検診で何の問題もなかった方が設備の整った総合病院で出産したとしても、母子共に命を落とすことがあります。中には母親の命を救うために赤ちゃんを諦めたり、子宮からの出血が止まらない時は子宮を全摘出することもあります。
仮に母子共に無事に出産を終えたとしても、母親は交通事故レベルのダメージを負うと言われています。よく「母子共に健康で良かったね。」という言葉を聞きますが、産後の母親は決して健康ではありません。その状態で24時間赤ちゃんのお世話をします。家事おろそかになり、今まで通りの生活をできなくなるのは当然ですよね。
この時夫や周囲の協力が得られないと、母親はどんどん疲弊していきます。「なんで私だけこんなにつらいのか。」と悲観的な気分になって、その結果、夫に恨みを感じてしまうといえます。
産後の妻の心のダメージ
女性ホルモンの一種であるプロゲステロンの血中濃度は、妊娠中にグンと上がり、産後急激に低下します。この落差が心を不安定にさせてしまい、場合によっては産後うつを発症することがあります。
そして、赤ちゃんはとっても弱い存在です。布団が顔にかかっただけで窒息したり、掛け物のチョイスを間違えるだけでうつ熱になって亡くなることもあります。心が不安定な時に、そんな存在を守らなければいけないという責任はとても重く感じるものです。
そしてその責任感ゆえに、夫の育児・家事の欠点を見つけると不快な気持ちが押し寄せてきます。夫の沐浴の手順が違ったり、洗濯物の畳み方が違ったり…そんな些細な事でさえ許せなくなってしまうのです。
妻は妊娠時から親に、夫は出産後から親になる
これは私見ですが、妻は妊娠中からたくさんの変化を経験して、母親になるという実感が湧くと思います。ですが、夫にそのタイミングはありません。今は新型コロナの影響で、妊婦検診やお産の付き添い、プレパパ研修も中止になっていることが多いため、なおさら父親になる実感が湧きにくい環境かなと感じます。
実際私は、安定期に入る前「赤ちゃんがちゃんと生きているか。」といつも不安でした。一か月後の検診を待つのが長くて長くて…(涙)何があるかわからないからと、妊娠前から計画していた海外旅行の予定をキャンセルしようか夫に相談しました。すると夫は「え、なんで?」といった反応。泣きながら「赤ちゃんを守るためなの!親になる自覚を持ってほしい!」と夫に訴えたことがあります(笑)
でも、自覚なんてきっかけがなければ芽生えませんよね。自分自身で経験してやっと感じるものです。どうしようもない問題ですが、この温度差もまた、産後クライシスの原因になるのではないでしょうか。
子どもを守るという概念が違う
これも私見ですが、妻と夫は、子どもを守るという概念が、そもそも異なっているように感じます。私の夫はよく「赤ちゃんのためにも頑張って稼ぐからな!」と言ってくれます。私は「赤ちゃんの命を守って大きく育てなければ!」という使命感を持っています。どちらも大事なことですが、夫は「お金」で養い、妻は「お世話」で養うという考え方の違いを持っているのかなと感じました。
そのため、妻が「なんで赤ちゃんのお世話してくれないの!」という不満をぶつけたときに、夫は「妻子のために遅くまで仕事をして疲れているのに…。」と不満を感じ、二人の間に溝ができていくのかもしれません。
あるタレント夫婦の話
先日SNSで、あるタレント夫婦のお話を見かけました。そのタレント夫婦は4人のお子さんがいて、いつも仲睦まじいイメージがあります。旦那さんの方が、イベントのトークショーで次のような話をしていました。
「一人目、二人目の子どもが生まれた後に、夫婦の距離感がわからなくなった時期があった。好き同士で結婚したのに、親になってその気持ちを忘れてしまった。このままじゃいけないと思い、僕の方から恋人時代のようにたくさんアタックした。子育ては大事だけど、定期的に夫婦二人きりの時間が作れるように、親戚に子供を預けたりしていた。」
いつもYouTubeで拝見しているタレント夫婦だったのですが、家族仲が良く、理想そのものでした。ですがその陰では、子どもには親の顔でいること、パートナーには恋人の顔でいることを意識して努力したのですね!
産前からできる!産後クライシスを予防する方法3つ
以上のことから、産後クライシスを予防するためには何が必要なのか考え、以下の結論に至りました。
父親と母親、それぞれが産後に抱ええる問題や考え方を理解しようと努力すること
夫は、産後の妻が心身ともに過酷な状況になることを理解しようと努力することが大切です。また、妻は「言わなくてもわかってよ。」という思いは捨てましょう。言葉にしなければ、伝わりません。お互いが歩み寄る姿勢を見せ合うことが、産後クライシスを予防する1番の方法です。
夫婦で話し合いをすること
産後クライシスという言葉を知らない方は多いです。しかし予防するには、夫婦で協力しなければなりません。まずはパートナーと産後クライシスについての知識を共有し、自分達が産後クライシスにならないためにどうしたらいいのかよく話し合うことが大切です。
産後は定期的にベビーシッターを利用し、夫婦二人きりで食事に行く時間を作ること
極論、産後クライシスの根源は、生まれてきた子どもです。子どもが生まれることで、母親の心身に変化が生じ、優先度が変わり、環境も変わります。その結果、夫婦仲に溝ができてしまうのです。
もちろん子どもは、それ以上に夫婦に幸せを与えてくれる存在です。ですが、親も人間です。時には自分を優先する時間も必要です。定期的にベビーシッターや親族、頼れる人に子どもを預けてリフレッシュすると、夫婦が互いに思いやれる余裕ができるのではないでしょうか。
子どもがかわいそうと思うかもしれませんが、パパとママの仲が悪い方がよっぽどかわいそうですよね。今は地域の子育て支援センターや行政でも、子どもを預かるサービスを提供しています。十分な研修を受けたスタッフが揃っていますし、子どもが楽しめるような工夫がたくさんしてあるので安心です。ぜひ産前からチェックしてみてくださいね!
おわりに
産前からできる、産後クライシスの予防法3つをご紹介しました。私達夫婦も、いつまでも仲の良い夫婦でいられるように、そして理想のマイホームに家族で住み続けられるように頑張ろうと思います。
ここまでご覧いただきありがとうございます。ではまた次のブログで★